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「やってあげる」ではなく、みんなで一緒につくっていく
教えて!地域を選んだ理由

「やってあげる」ではなく、みんなで一緒につくっていく

長年「サロン陽だまり」の活動を続けている内田道子さんにお話をお聞きしました。

掲載日 2024年9月24日

サロン陽だまり
内田道子さん
内田道子さん

2009年に「サロン陽だまり」を立ち上げ、15年間活動を続けている内田道子さん。 サロン活動のなかで印象に残っていることや、長年活動を続けられた秘訣などをお話しいただきました。

現在どのような活動をしていますか。

毎月1回、無理のない活動

毎月第2木曜日に、駒沢小学校の第2校舎の一室をお借りして、地域の高齢者の方が参加する「サロン陽だまり」を開催しています。
ご近所の方に歌や踊りを披露していただいたり、輪投げやボッチャで体を動かしたり、学校の茶室をお借りしてお抹茶をいただいたり、活動内容は毎回様々です。みなさんで集まっておしゃべりだけ、という回もあります。

マンネリ化しないようにと考えてはいますが、ここはサロンですからね。お茶とお茶菓子があればいいことであって、スタッフで当番を決めて、無理のないように活動しています。

「サロン陽だまり」を立ち上げた経緯を教えてください。

地域の高齢者の絆づくりがしたい

陽だまりを立ち上げた頃は民生・児童委員をしていて、定期的に高齢者の方を訪問していました。最初は拒否されたこともありましたが、だんだんと心を開いてくださるようになり、そのような方々と関わるうちに「高齢者の方たちの絆づくりがしたい」と思うようになりました。

当時、駒沢中学校(駒沢中学校支えあいルーム)で活動していたミニデイをお手伝いしていましたが、担当していた駒沢小学校周辺エリアにはそのような活動がなかったため、サロンをやってみようと考えました。

その頃、駒沢小学校は、全面改築工事を行っていました。民生委員として学校と深いつながりがあったことから、当時の校長先生に「駒沢小学校でサロンを始めたい」と相談したところ、快く貸していただけることになりました。

民生委員と主任児童委員に声をかけて5人の仲間を集め、それぞれが1人ずつ声をかけて10人の仲間になり、サロンを立ち上げることができました。

みなさんでボッチャに挑戦!

これまでの活動のなかで印象に残っているのはどんなことですか。

近所であっても“おでかけ”の場に

参加者のみなさんは、最近参加された方も含めてすっかり友達みたいになって、ご近所同士で一緒に来られたりしています。月1回の陽だまりでお友達とおしゃべりするのを楽しみにしてくれているようで嬉しいです。

みなさんを見ていると、最初は普通に普段着で来るんですけど、だんだんおしゃれしてくるんですよ。近所であっても“おでかけ”ということなんでしょうね。とてもいいことだなと思っています。

いまは熱中症が怖いでしょう(取材:2024年7月)。8月は休みましょうって言ったら「えー陽だまりが楽しみなのよー」って言ってくださって。やっぱり、地域の方たちが心待ちにしているっていうのが私のやりがいですね。

子どもたちとの給食会の思い出は宝物

駒沢小学校で活動しているご縁で、学校の先生から「地域のみなさんと3年生で一緒に給食を食べましょう」と声をかけていただきました。
陽だまりのみなさんをはじめ地域の方に声をかけて、給食会を開催しました。子どもたちと一緒に歌を歌ったり、ゲームをしたり。3年生が配膳をしてくれて、みんなでおしゃべりしながら給食を食べました。

私たちの世代は給食を食べたことがないですからね。みなさんとっても喜んでくれました。すごく好評で、コロナ前までは毎年開催していました。準備は大変でしたが、本当に楽しかったです。

陽だまりの活動のときは、スタッフのひとりがカメラマンをしてくれて、毎回写真を撮影しているんです。15年活動していますから、アルバムもかなりの数になりました。なかでも給食会の写真は、私の宝物になっています。

これまでの活動の様子が収められたアルバム

長年活動を続けられた秘訣を教えてください。

みんなで一緒につくってきた「陽だまり」

陽だまりは本当にスタッフに恵まれて、どうしましょうかって言えば、じゃあこうしましょうってみんなで相談してね。立ち上げのときから変わらないスタッフで活動を続けられているのは、私の自慢です。

また参加者のみなさんが積極的に参加してくれるのも大きいですね。

あるとき参加者の方から「内田さん、二宮金次郎の歌があるんだよ。戦前歌った歌だから、それを歌ってみたい。」と言われました。協力して準備して、給食会のときにみんなで歌いました。
その方は3年生に「あそこに石像があるのは金次郎だよ」「こういう歌を歌って私たちは育ったんだよ」なんてお話をしていました。

また別の方は昔先生をしていたらしく、ピアニカが吹けるんですよ。みんなで歌うときに伴奏をするのを楽しみにしていたみたいで、サロンのためにわざわざピアニカを新調したりなんかして。
みなさん積極的に参加してくださっています。

「私たちがやってあげる」のではなく、「みんなで一緒にやりましょう」という気持ちで活動しているのが、続けられた秘訣かもしれません。

お茶を飲みながらおしゃべりタイム

これからサロン活動を始めたいという方へメッセージをお願いします。

最初は手探りでもいい

立ち上げるときは手探り状態でいいんですよね。私たちがそうでしたから。最初から力を入れすぎてしまうと、継続できないだろうなと思います。
すこしずつ始めて、慣れてきたら増やしていくとか、みんなで相談して変えていく。そんなふうにやっていけば続くと思います。

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